半月板の最近のブログ記事

円板状外側半月板のまま歳を重ねると、何か問題があるのか?そんな研究が届きました。
対象は40歳以上(平均52歳)の円板状外側半月板損傷の患者84名と正常な外側半月板の損傷患者74名(両群共に関節鏡とMRIにて確認)。結果、円板状半月板群の方が、内反変形しており、軟骨損傷も進行していたとのこと↓↓

円板状半月板は傷が付きやすいと言われていますが、アライメントや軟骨損傷にも悪影響を及ぼすんですね。
でも、読みながら、40歳以上の円板状半月板損傷の人達は、この年齢まで大丈夫だったのか?とか、なんでこの年齢になって症状がでてきたのだろうか?と思っていたら、この論文に対する"Commentary and Perspective"が届いてました↓↓

同じようなことを疑問に思ったようですね。やはり、後向きの研究では限界があるようです。
半月板損傷の好発部位や損傷形態に関連しそうな報告が届きました。
屍体5膝を使用して、内側・外側半月板の前節・中節・後節のプレストレス(予応力)を計測。結果、最も強かったのは内側半月板の後節。全体的には、前節よりも後説が、外側半月板よりも内側半月板の方が強かったとのこと↓↓

やはりというか、負荷がかかりそうな部分が強いんですね。ご存じの通り、骨もストレスが加わる部位が構造的に強くなっています。そう考えると、半月板もストレスに負けないように、半月板なりにがんばっているんだなぁと思うと、いとおしくなります。
今日は、膝前十字靱帯(ACL)損傷と変形性膝関節症(OA)に関するシステマティック・レビュー&メタアナリシスについて。
対象とした論文は、最低10年のフォローアップをしているものとし、保存療法・観血療法、ACL単独損傷・複合靱帯損傷・半月板損傷も全て含めた。最終的に、9つの論文がシステマティック・レビューに、そのうち6つの論文をメタアナリシスに用いられた。結果、ACL損傷は変形性膝関節症の因子となる一方、ACL再建術を行うことで膝OAのリスクが軽減するという結論に至ったとのこと↓↓

過去に、ACL損傷後と膝OAの関連性について報告はあったものの、メタアナリシスは無かったようです(本文より)。結果は従来言われている通りのようですね。
昨日の膝リハブログでは解剖について触れたので、その流れで解剖に関する新着論文。
三日月状の形をしているはずの半月板。稀に、円板状の形をした半月板を持つ人がいますが、そのほとんどは外側半月板です。しかし、内側の円板状半月板でさらに内側半月板と前十字靭帯が繋がっていたというケースレポートです↓↓

この報告の参考文献(Dickason 1982)によると、8,040名のうち円板状の内側半月板は0.12%であったとのこと。
色々な膝があるんだなぁと改めて実感。
手術時に止血をするためターニケット(止血帯)が使われます。当然ですが、止血をすればそれなりのリスクもあります。半月板切除術時のターニケットが術後の回復に与える影響についての報告が届きました。
対象は、半月板切除術患者80名。ランダムに40名ずつ、ターニケットの圧320mmHgと70mmHgで手術を行った。評価項目は、膝の痛み、術後の関節可動域、全荷重歩行ができる時期、日常・スポーツ復帰、CPKレベル(筋や脳細胞の虚血や壊死が起こると値が上昇)。結果、全ての評価項目において、両群間に有意差がなかったとのこと↓↓

全然関係ありませんが、昨日、献血をしました。止血して、血液が流れていくのを見ながら、ぼーっと血液について考えていたので、今日はこんな論文について触れてみました。
膝リハブログでも何度か取り上げているテーマですが、内側半月板(MM)後節損傷と軟骨損傷に関する新着論文。
対象となったのは50-79歳で、MM後節損傷37膝、後節損傷のないMM損傷294膝、後節もMM損傷もない264膝、計596膝(注:計595膝のような気もしますが、論文中には596膝と記載)、平均年齢62.8±7.9歳(女性382膝)。MRI画像を、WORMS(Whole-Organ Magnetic Resonance Imaging Score)で軟骨損傷の評価を実施。結果、相対危険度は、MM後節損傷膝が2.03、MM損傷膝が1.84であったとのこと↓↓

論文の結論は、単独MM後節損傷膝と軟骨損傷は関連性があるとしています。
そうなんでしょうけど、それより思ったことは、MM後節損傷って、この論文では37/596膝(6.2%)の存在率なんですよね。ということは、MM後節損傷は軟骨損傷の絶対条件ではないんじゃないかと思います(この論文は1.0TのMRIを用いているので、もう少し割合は高いかもしれませんが...)。つまり、MM後節を損傷すると軟骨損傷(変形性膝関節症)になる可能性は高くなりますが、変形性膝関節症の発症メカニズムを考える上では、あまり考えなくても良いかもしれません(と、最近思うようになってきました)。
膝前十字靭帯(ACL)再建術の違い(Single-bundle: SBとDouble-bundle: DB)による変形性膝関節症(膝OA)の発症に関する報告が届きました。
対象は、SB再建術65名とDB再建術65名の計130名。手術の際、両群間に年齢、性別、半月板切除術や修復術数に有意差はなかった。術後経過期間は最低4年。結果、レントゲン画像による膝OA(K-L分類)に有意差が無かったとのこと。ちなみに再断裂数は、SBが2膝、DBが4膝。↓↓

DBの利点の1つは回旋不安定性を制動することですが、術後のPivot-shift testの結果を見ると、両群間に全く差がないですね。「両群間に回旋不安定性があった」→「膝OAの発症率に違いがあった」という流れを予測しながら論文を読んでいましたが、完全に外されてしまいました。
今後、より長期な成績が出てくると思いますので、結論はまだ先ですね。
1.5テスラと3テスラのMRIで膝関節軟骨の評価を比較した論文が届きました。
対象は患者100名でMRI撮影し(1.5Tと3T)、軟骨損傷の評価後、関節鏡検査を実施。Sensitivity、specificity、accuracyを算出。結果、3テスラのsensitivityが有意に高かったとのこと↓↓

実際に、いくつか写真が載っていますが、確かに3テスラの方が見やすいです。結果を詳細に見てみると、小さな軟骨損傷や完全な軟骨損傷は両者に差はなく、50%前後の軟骨損傷を見分けるときに差が出ている感じですね。
半月板切除術後に、半月板が再生していたという珍しいケースレポートが届きました。
11歳男の子が外側の円板状半月板の部分切除術を受け、膝の痛みや機能が回復。しかし、29ヶ月後に同じ症状を訴えて受診。外側の円板状半月板は再生しており、後角の水平断裂があったため再手術をしたとのこと↓↓

この論文によれば、半月板が再生するという報告は過去にないとのこと。筆者らは、成長期が半月板の再生に影響を及ぼすのでは、と推測しております。
ごく稀に起きたことなのか、実はそうではないのか、あるいは切除した部位や方法に何か関連があるのか、今後も少し着目しておきたいことですね(もう何年も前ですが、前十字靱帯損傷再建時に採取した半腱様筋が再生していたという報告も、最初は半信半疑でしたし...)。
画像は臨床においてとても重要な役割を果たしますが、画像所見と臨床所見が一致しないことも多々あります。最近、そんなことが続いているので、それに関連した論文を。2006年の報告。
対象は変形性膝関節症(膝OA)患者205名(男性42名、女性163名。年齢43から77歳、中央値は60歳)。MRI撮影を行い、臨床所見との相関を算出。結果、明らかな関節滲出液と相関があったのは痛みと関節のこわばり。膝蓋大腿関節の骨棘と相関があったのは膝の痛み。その他、軟骨損傷やBone marrow edema、半月板損傷や半月板亜脱臼、Baker嚢胞などと膝の徴候とは相関が無かったとのこと↓↓

最近、特に印象的だったのが、違う病院で手術を勧められた末期OAの患者さん。どうみても手術適応なのですが、治療を続けるうちに痛みも全く無くなり、先日、治療終了となりました。結果オーライですが、なぜそんなに良くなったのか、正直分からず。もし分かれば、全ての患者さんに適応するのに...
今日、半月板損傷疑いの骨端線閉鎖前の少年を診ました。そんなこともあり、今日は骨端線閉鎖前の半月板損傷についての新着論文。
対象は、10歳から19歳で半月板の関節鏡視下手術を行った患者293名324膝。対象者を骨端線閉鎖前と後で群分けし、どのような損傷形態をしているかを分類。結果、閉鎖前(126膝)は円板状半月板が32膝(25%)で最も多く、次いで複雑(complex)損傷が31膝(25%)だったのに対し、閉鎖後(198膝)は複合損傷60膝(30%)、verticle損傷37膝(19%)の順に多かったとのこと↓↓

この論文の研究目的は、骨がまだ不完全な半月板損傷に対する修復術の見込みを調べること。従来言われているよりも、骨端線閉鎖前後に拘わらず10代の半月板損傷患者は、修復術が困難な複雑損傷が多かったという結果だったようです。
膝前十字靭帯(ACL)損傷時の骨挫傷の部位からACL損傷メカニズムを推測することは、以前より行われていますが、今回は稀な膝蓋脛骨の骨挫傷のケースレポートが届きました。
ケース1は、アクシデントで乗り物から放り出されて膝が崩れた際に受傷、骨挫傷の位置は膝蓋骨下端と脛骨プラトー前内側。ケース2は、サッカー中の落下で受傷、骨挫傷は膝蓋骨下端と脛骨プラトー前内側と後内側。ケース3は、6フィートの壁からジャンプした際に受傷、骨挫傷は膝蓋骨下端と脛骨プラトー前内側、後内側、後外側であった↓↓

残念ながら、論文中には受傷機転の肢位の記載がなかったので(全てがアクシデントなので、詳細に覚えているとは思えないので仕方がないが)、このMRI画像からメカニズムを推測するのは、かなり難しいですね。特に骨挫傷が、1つの骨に1箇所ではなく、3箇所もあると全くわかりません...
ネットサーフィンならぬ論文サーフィンをしていたら、半月板損傷の評価方法で「これ、自分も無意識にやってる」という論文を見つけました。Joint line fullness testと言って、関節裂隙を丁寧に触診し、実際に半月板がどうなっているかを評価するもので、圧痛の有無を確認するのとは少し違います。そして、その精度が報告されていました。2012年の報告。
対象は、100名の連続患者を対象に、Joint line fullness test、関節裂隙の圧痛、McMurray testを実施後、関節鏡にて半月板損傷の有無を確認しました。結果、Joint line fullness testのaccuracy 73%, sensitivity 70%, specificity 82%、関節裂隙の圧痛は同順で68%, 87%, 30%、McMurray testは47%, 32%, 78%。半月板損傷の陽性予測値はJoint line fullness test 88%、関節裂隙の圧痛 77%、McMurray test 76%だったとのことです↓↓

言われてみれば、McMurray testよりも正確性が高い印象を持っています。が、経験的な要素もかなり強いと思います(実際、後輩に指導しても全く伝わらないし(苦笑))。この方法のコツは論文によると、外側コンパートメントは屈曲30, 45度で腸脛靱帯を弛緩させること、そして内側コンパートメントは屈曲70, 90度で内側側副靱帯を弛緩させることだそうです。
外側半月板切除の既往があり、外側コンパートメントのみでなく広範囲の軟骨損傷を合併している患者さんが膝ラボに来られました。徒手的に膝関節のコンタクトポイントをどの位置に変化させても痛みが出てしまい、決定的な治療方針を打ち出せず... 色々考えても全くダメなときは、何かのアイデアでもないかと、論文や書籍を読み漁る。それでも閃かないので、せめて何かのヒントになるかもしれない論文を記録。
Computational modelingを用いて、外側半月板の前方・中央・後方のredial tear、部分切除術をした際の、歩行時に膝関節へ生じるストレスを計測。結果は、無傷の半月板と比較し、中央、後方、前方の順に、300%, 430%, 1530%のストレス増加。脛骨の軟骨に生じるストレスは、前述の3つにほとんど差がない一方で、部分切除では立脚期前半で増加していたとのこと↓↓

立脚期前半は、まさに患者さんが膝の痛みを訴える瞬間。それでも、この論文によると立脚期前半の増加したストレスは立脚期後半のストレスよりも大きいわけではない。立脚期後半は、さほど痛みを訴えないのに。
こういう論文、待ってました!と、ワクワクさせるような論文が届きました。
研究目的は、Meniscal slopeが膝関節屈曲角度にどう影響するかを計測すること。対象は男性6名、女性6名(平均年齢25.7±10.5歳)。Open MRIを用いて、膝関節最大伸展位、屈曲60度、90度、最大屈曲位の肢位で撮影。その画像から、内・外側半月板のMeniscal slopeを計測。結果、伸展位から順に内側半月板が2.3±3.6, 5.6±3.6, 5.6±4.4, 7.4±5.9度、外側半月板が -2.6±4.0, 9.8±4.9, 11.4±3.9, 17.3±6.6度でした↓↓

この結果は、変形性膝関節症(膝OA)の発症や、膝前十字靭帯(ACL)の受傷機転につながりそうですね(論文中のDiscussionにも書いてありますが)。個人的にキーと思うことは、やはり、伸展位から初期屈曲(屈曲と識別できないような瞬間?)のフェーズでしょうか。初期値のほんの僅かな差が、大きな差に及ぼす(バタフライ効果)ということを以前も書いたような... そして、膝OAもそんなことがあり得るのではないかと思い始めている今日この頃です。
半月板損傷を疑ってMRIを撮影してみたものの、MRIでははっきりと分からないことがあります。来週から帯同予定のチームにも、そのような選手がいて、関節鏡検査をするかしないかで迷っています。そんな事もあり、半月板のMRI画像の論文について調べて、勉強になった論文がありました。
対象者は、関節鏡視下にて半月板を手術した61名(内訳は、内側半月板(MM)損傷が27名、外側半月板(LM)損傷が28名)。研究対象となったのは、損傷の無かった34名のMMと33名のLM。これらをMRIのプロトン密度強調画像にて評価し、正常な半月板前節と後節の特徴を調べました。結果、各々の特徴は、MM前節は低信号、MM後節とLM前節は高信号か櫛状のシグナル、LM後節は低信号か櫛状のシグナルを示した。形状の特徴として、MM前節とLM後節は、MM後節とLM前節よりも、複雑で多様な付着パターンをしていたとのこと↓↓

文字で書くと分かりにくいのですが、論文では写真が多く載っているので参考になります。正常を知ることで、はじめて異常なものに気付くものだと思います(コーヒーのCMっぽいですが、確かにその通りだと思います)。
一昨日の膝リハブログでDouble-layered meniscus(二層の半月板)について書きました。こういうのを見つけると、ついつい色々調べたくなってしまいます。で、その患者さんのMRIを見てみると、確かに少し変わった形の半月板をしています(例えて言うならSemi-discoid様?)。それでPubMedで"double-layered meniscus"と検索してみると、11件しかヒットしなかったので、全部に目を通してみました。その中で、Freeで見られる図と写真があったので、ここに添付↓↓

臨床所見など、特別何かということは分からないようですね。痛みに関しては、その部分を切除すれば消失するようです。今度この患者さんが来たら、反対側の膝を入念に診てみたいと意気込んでいます(反対側がdouble-layered meniscusとは限りませんが...)。
日本人の屍体膝を肉眼的に観察して半月板の形状を分類した論文が届きました。結果、内側半月板(MM)は全てが正常な形状をしていたのに対し、外側半月板(LM)は正常な半月板60.6%、完全な円盤状半月板6.2%、不完全な円盤状半月板31.8%、環状の半月板0.9%、二層の半月板0.5%、その他0%でした↓↓

用いた屍体膝が日本人で、しかも437膝を肉眼で判断したというのは、臨床的にかなり有意義なデータだと思います。そう言えば、二層の半月板が0.5%と言われて、一人思い当たる選手がいます。今度、その選手が膝ラボへリハビリに来た時に、思い出せるか不安...
超音波を使って半月板切除後の軟骨厚の評価をした論文が届きました。比較したのは、半月板切除術側と反対側の大腿骨外側、内側、顆間。グループ分けは、半月板の断裂形態(変性断裂か否か)、内側半月板(MM)か外側半月板(LM)かそれら両方か、術後経過期間(36ヶ月、37から48ヶ月、48ヶ月以上)↓↓

結果を一言でまとめると、全てのグループの軟骨厚の結果は0.21から0.26cmの間でした。所々に有意差が出ているものの、MM切除後の大腿骨内側やLM切除後の外側の軟骨に有意差がない一方で、MM切除後の外側に有意差があったりと、その結果全ての理由を解釈するのが難しい印象です。
方法論の話で言えば、超音波画像を使った軟骨評価は非常に有用な情報を得られる可能性があり、今後も大いに期待できる分野だと思いますが、今回に限って言えば、僅かな差を検出できていないかな、という感じです。
子供の膝前十字靱帯(ACL)損傷後の半月板と軟骨の経過について、前向き研究が届きました。
対象は男の子26名、女の子14名の40名41膝、平均年齢は11.0歳。経過は3.8±1.4年。ACLを手術しなかったのは28膝(28.5%が半月板損傷を合併)で経過中に新たに半月板や軟骨を損傷していたのが3.6%。一方、ACLを手術したのは13膝(46.2%が半月板損傷を合併)で経過中に新たに半月板を損傷していたのが19.5%でした↓↓

この結果のみで子供のACL再建の是非を論じることはできませんが、子供のACL損傷は深刻な問題を引き起こすので、予防やしっかりとした治療が絶対に必要。
ちなみに、アブストラクトに書いてある人数とTable 3に書いてある人数が違う(?)ので、引用する場合には正式出版されたものの確認が必要。
半月板を損傷した選手から、「半月板は治らないんですか?」と質問されました。一般的に、毛細血管が入り込んでいる部分(red zone)は修復される可能性がありますが、毛細血管がない部分(white zone)は治癒されないと言われています。見やすい写真はないかと探してみました↓↓

患者さんに「ブログ見ましたけど、全然分かりません」とよく言われてしまいますが(苦笑)、写真や図があるので、これなら分かってもらえると思います。
本日より(毎度のことながら、日付は変わり昨日ですが)、東日本バレーボール大学選手権大会が始まりました。今日は都外から来た某大学チームに帯同し、久しぶりに選手のチェックをしました。その中で、以前に半月板損傷疑いと診断されながらも、MRIでは損傷を確認できなかった選手がおり、明日、膝ラボに来てもらいチェックをする予定です。そんなこともあり、再読した論文↓↓

半月板損傷の評価方法についてのレビューです。SensitivityもSpecificityも範囲が大きい原因の1つに、検者の技術的な問題があるのは言うまでもありません。精度の高い技術を持ったセラピストになりたいです。
半月板損傷の部位や損傷形態と変形性膝関節症(膝OA)の発症に関する、前向き研究が届きました。対象は、ベースライン時では膝OAでなかったが2年後に膝OAが発症していた32名と、それにマッチした健常膝の64名。結果は、膝OA群と健常膝群のベースライン時の内側半月板損傷(MM損傷)率には有意差なし。しかし、MMのextrusion、MMのcomplex tear、1/3以上の大きさのradial tearの存在率には有意差がありました↓↓

半月板損傷の形態と膝OAに関しては、他の論文とほぼ同様の結果なので、間違いなさそうですね(前からradial tearについて書いていたのですが、調べてみたら、論文を紹介したことはありませんでした)。
論文では、半月板損傷の部位まで調べているようですが、結果には記載されておらず。個人的には、そこにも興味があるんですが。
来月の「膝ラボ無料講習会」は、膝痛と体重をテーマに話そうと企画しています。それに関連する新着論文。
対象は、肥満外来の患者さんや地方紙によって募集された、膝の外傷歴がなく変形性膝関節症(膝OA)でない250名。経過観察は約2年で、フォローアップできたのは197名、内訳は内側半月板損傷あり(MM損傷あり)が36名(18%)、内側半月板損傷なし(MM損傷なし)が161名(82%)。結果、MM損傷あり群について、体重が1%増加するごとに脛骨内側の軟骨が0.2%減少し、膝の痛みが11.6%増えたとのこと。一方で、MM損傷なし群では、そのような傾向が統計学的に認められませんでした↓↓

論文中に、半月板の損傷部位や損傷形態に関しては、詳細には記されてはいませんでした(MRIのみなので、仕方ないですが)。この結果はとても興味深いと思いますし、個人的な印象としても同感です。体重が1%で11%以上も膝の痛みが増えるというのは、想像以上でしたが。
変形性膝関節症患者の半月板切除術の際に、同時にmicrofractureを実施した群(Group I)としなかった群(Group II)を比較しました。観察期間は36か月で、アウトカムはLysholm score、Tegner activity scale、visual analog scale(膝の痛み)、K-L分類。結果は全てに有意差なしでした↓↓

Lysholm scoreもTegner activity scaleも、簡便な反面、微妙な差を抽出するには少し難があると思いますが、そうは言っても全てに有意差なし。変形性膝関節症に関節鏡を入れても、あまり効果がないというのが、最近の傾向のように感じます。個人的には、全てがそうでもないような気がしますし、そこを見極めるのが大切なんじゃないかなと思います。
今日、外側半月板切除術をしたバレーボール選手が全力でのスポーツ復帰をする予定です。これだけの話であれば、それほど心配をすることはないでしょうが、今回の患者さんは、少し思い入れが。膝ラボで初めて手術をした人で、執刀医も私が今まで担当したことのない医師(語弊がないよう書きますが、腕は確かです。ただ、どんな執刀医でも(別に悪い意味ではなく)特徴とか癖とかは少なからずあると思います。)、そして学生最後の大会に何とか間に合わせるため、スポーツ復帰までの手術前後のプロトコルを早期に組まなくてはならなかったなど、色々な条件が重なっていました。
現在まで、膝の痛みや腫れもなく順調ですが、一点危惧しているのはジャンプ着地動作。Dynamic valgusがどうしても修正できない。外側半月板切除後のジャンプ着地動作って、どんな特徴があるのだろうかと調べてみたら、ありました。報告したのは、Hewettらの研究グループ↓↓

結果は、外側半月板切除群と対照群に筋力の有意差は無かったものの、ランディング動作時の膝関節伸展モーメントは有意に減少。膝屈曲角度は有意に増加していました。
気になる内外反、内外旋のデータに関しては記載なし。Limitationにも触れられておらず、少し残念。そこが知りたかったのですが。
昨日の膝リハブログで書いたことがタイムリーにありました。
先日、新患で来たバレーボール選手。膝痛の原因に心当たりなし。徒手検査などをしてみて、「おそらく内側半月板に2か所、損傷があるじゃないかなぁ」と、本人に伝えました。本日、MRIの結果が届いたので見てみると、予想通り、内側半月板に2か所の損傷がありました。
生田「かなり珍しいですね」
患者さん「そうなんですか?」
生田「えぇ...」
患者さん「どのくらい珍しいですか?」
生田「...調べておきます(笑)」

そんな訳で、調べました。少し古い論文ですが、手術所見によると、半月板の複数損傷は2/165件(1.2%)だそうです↓↓
個人的にはとても惹かれたタイトルの論文↓↓

臨床経験10年以上、3年、4か月の3名が、半月板損傷膝に対して関節裂隙の圧痛の確認、McMurray testを実施。それぞれのSensitivityとSpecificityを算出しています。
McMurray testはともかく、関節裂隙の圧痛の検査でも、全く異なってくるんですね。論文中に、見逃しやすいポイントとか、方法のコツとか記載されていれば面白かったと思いますが、残念ながら、そのような記載はなし。
屍体膝を用いて歩行時の運動をシュミレーションした研究。外側半月板(LM)後節切除前、切除後、修復後の3条件を計測しています↓↓

結果は、歩行周期中のLM後節損傷後の最大関節圧が増加、脛骨内旋角度も若干増加していました(図5)。最大関節圧が歩行周期の1st ピーク時にあることは興味深いですね。
以前の膝リハブログで書きましたが、LMのradial tearの場合は2nd ピーク時に最大圧が生じるという報告もあります。2つの研究のシミュレーションは異なりますが、考えてみれば納得の結果ですし、臨床的にも参考になりそうです。
少し前までは、内側半月板の後節に関する研究が多かった印象ですが、最近は外側半月板の後節に関する研究が出てきてますね。研究テーマも凄い速度で進歩していくのを感じます。
今日(というか昨日)外側半月板部分切除後の患者が来ました。学生最後の大きな大会に間に合わせるため、可能な限り早期復帰を希望。今後、復帰までに少しでも問題が生じると、間に合わないと踏んでます。今日から、積極的に荷重エクササイズ開始。その為に、再読した論文↓↓


屍体膝を用いて、外側半月板損傷、縫合、部分切除の条件下を、シュミレーターにて再現した歩行時のコンタクトメカニクスを算出。
外側半月板部分切除では、postero-peripheralとpostero-centralの圧上昇に注意。特に、double knee actionの2nd peak時。コンタクトエリアも約半分に。
テーピングとかで、コンタクトキネマティクスをコントロールできるかな...
昨日の膝リハブログの考察の続き。Caudal menisco-tibial ligamentを切離すると、関節圧はどうなるか?犬の膝を用いた研究↓↓

靱帯を切っただけですが、コンタクトエリアが半分になり、当然、関節圧も有意に増加。
人の膝を用いて半月板後節を切離した論文はいくつかありますが、靱帯となるとあまり記憶がありません(個人的感想)。そんな訳で、今回は犬の膝の論文でした。
女性は誰も0脚が気になるようです。今日の患者さんもその一人。過去に半月板の手術の既往あり。以前、内側半月板後節の損傷形態と0脚の関連について読んだ論文を思い出し、再読↓↓

内側半月板後節の断裂を水平断裂群とroot ligament損傷群に分類し、mechanical axisを計測。結果は後者の方が有意に大きかった。ちなみにBMIに有意差なし。
当然のことながら、内側型膝OAの危険因子だと思います。
対象は健常膝、後節でないMM損傷膝、MM後節損傷膝。MRIだけでなく、全ての膝が関節鏡で確認されています↓↓

この論文が、個人的に面白いと思ったのは、MMのmiddle segmentの突出には3群に有意差はなかったが、posterior segmentには有意差があること。そして、MMのposterior segmentのmedial extrusion(後方ではない)を算出しているところ。今まで自分が持っていたMM突出のイメージ像が少し変わりました。次から患者さんの膝の評価をするときは、触り方やストレスの方向をちょっと変えてみようと思います。
日は変わって今日、少し稀な症状の患者さんが来る予定です。主訴は膝屈曲時の外側痛。徒手検査で、外側半月板は間違いなさそうだが、LMの部位が特定できない上に、半月板特有の痛み(患者さんの表現)とはちょっと違う感じがしていました。それと、内側の腫れとそれに伴う過剰な膝蓋骨外側偏位。それでMRIを、臨床所見を知らない他院で撮影してもらった結果、内側の滑膜炎が原因と思われる関節水腫との診断。「あれっ!?」と思って、MRIを見てみると、確かに内側コンパートメントの関節水腫は明らか。次に気になったのがLMとLCLの間にある高信号で、その輪郭から考えるにおそらくcyst。さらによく見てみると、LMの水平断裂。で、その断裂部位から高信号が交通しているように見えるのでcystで間違いないだろうと判断。徒手検査でよく分からなかった痛みは、このcystと半月板損傷による痛みが混合していたものだろうということで、とりあえず納得。
ここからが問題で、大事な大会が間近なので、保存療法を希望。何がベストだろうと調べてみたら、ケースレポートがありました↓↓

論文中には"我々の知る限り最初の報告"と書いてあり、「よく報告してくれました」という気になりました。おかげで2つほど、試してみたいことが思いつきました。まさに、巨人の肩の上に立った感じです。
平均10年のフォローアップの結果、単独ACL損傷の術側は反対側と比較しても、膝OAの発症率に有意差はなかったという論文に対してのletters to the editorsより。日は変わり昨日届いた論文↓↓

元の論文はこちら↓↓

自分の執筆のCMではないですが、3年ほど前に『ACL再建術前後のリハビリテーションの科学的基礎』で「ACL損傷後の長期成績」を担当させて頂きました。ナップHP↓↓

統計的には、はっきり出てこないものの、ACL再建術後に膝OAにならない人もいるようで、その1つに単独損傷、その中でも半月板損傷の存在が膝OAの危険率を高くさせる印象があります。保存療法の成績も、半月板損傷が関連してそうです。
屍体膝を用いて、1)保存膝、2)MM前節切除、3)MM後節切除、4)LM前節切除、5)MM切除、6)LM切除の条件で算出してます。日は変わってしまったので、昨日届いた論文↓↓

有意差があったのは、LM切除膝の屈曲域の接触領域、MM切除膝の伸展域の接触圧でした。In vitroには様々な限界がありますが、痛みとか怖さとかを考慮しなくても良いメリットがあります。そんな条件下で半月板を切除してPF関節にも影響を与えるのは興味深いです。
今日は膝が痛い。2〜3日前にPF関節が"グリッ"と音がして少し腫れている。興味深いことに、その後にMCL深層(?)に痛みがある。膝OA患者さんでも、関節裂隙ではなく、ここに痛みがある人が時々いるのは以前からの印象。解剖がどうなっているのかと思い出して読みなおした論文↓↓

MMとMCLが結合していること、膝OAとMMの突出が関連あること、そして膝OAの下腿が外旋していることを考えると、X線所見には異常のない初期膝OAの痛みが説明できそう。
そんな自分の仮説を確認するために、自分の膝をもう少し負のスパイラルへ落とし込もうかと思います。
OA膝と健常膝を対象とした内側半月板の亜脱臼を超音波で評価。測定肢位は背臥位と片脚立位。本日届いた論文↓↓
http://rheumatology.oxfordjournals.org/content/early/2013/04/16/rheumatology.ket110.abstract

結果は予想通り、OA膝の方が亜脱臼が見られたとのこと。
個人的な興味は、どこが原因で亜脱臼が起きているか。一般的に言われているMM後節に関して、本文では触れておらず。自分もMM後節を狙って超音波を当てたことはありますが、なかなか上手く行きません。
半月板損傷に対して保存的治療で良好な成績を収めた症例について。
本日届いた論文↓↓


手術が78例、保存的治療が107例、期間は24ヶ月。割り付けは、保存的治療で結果が出なかった患者が手術をしたとのこと。
保存で良好な成績を残せる因子に関しては、この論文からでは、まだ分からないという印象です。

今日は県外から「膝が痛くて近くの病院でMRIを撮ったけど、異常ないと言われた。でもやっぱり痛い。」という学生が来ました。わざわざ、診察のためだけに東京へ来て、一泊して明日には帰るとのこと。

臨床所見から推測するに、腸脛靱帯炎とLMの前〜中節部分の損傷と判断。それに滑膜炎もあるかも。しかし困ったのは、臨床所見からLMはほぼ間違いないと思いながらもMRIには異常が見られないこと。医師と相談し、リハにて腸脛靭帯炎の痛みを消失させた後、ステロイド注射を実施。明日、帰る前にもう一度来てもらい、痛みの変化によって今後の治療方針を立てることに。こういう時は、やっぱり調べるしかない。ということで、半月板とMRIの最新の論文↓↓

http://www.aimjournal.ir/article.aspx?id=469

LMに関して、True negative/positive 66.7/11.9%, False positive/negative 4.8/16.7%だったとのこと。False negative16.7%か...

内側半月板後節の損傷に対する保存治療の成績。

本日、届いた論文↓↓

http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10195-013-0234-2

以前より、MM内側後節のradial tearや変性断裂は膝OA進行の危険因子と言われている。やはり膝OAの進行は予防できないのだろうか...

OA膝の半月板の位置・サイズ・形状について、本日届いた報告。OAI study↓↓

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/art.37947/abstract

以前から言われているextrusionについて。考察が前額面で三次元的に捉えていませんが、非常に興味深い研究だと思います。

 

同じく半月板と軟骨損傷について、本日届いた報告↓↓

https://physsportsmed.org/doi/10.3810/psm.2012.09.1983

軟骨損傷と相関があるのは、骨髄浮腫、半月板のextrusionradial tearposterior horn tear

いずれも過去の報告と一致します。どの順序で、どのような機序で起こるのか。これも興味深い研究です。

 

上2つを考える際にヒントとなるかもしれない論文もありました。

健常人女性が疲れた時の下肢バイオメカニクスの変化。

今日、届いた論文↓↓

http://www.clinbiomech.com/article/S0268-0033(13)00026-0/abstract

いわゆる疲労と人工的に作られた疲労とでは、全く異なることがlimitationでしょうか。

OA患者の半月板切除術の治療効果について。理学療法は半月板切除術と同じくらいの治療効果あり。

今日、届いた半月板に関する論文を2本↓↓

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe1302696

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1301408

ITT解析なので、タイトル内容が全ての患者に当てはまる訳ではありません。しかし、ITT解析はリアリティがあるので、個人的には好きです。

半月板部分切除術の効果に関する無作為化対照試験。実際に手術した患者さんと、手術したフリをした患者さんが対象。

今日届いた論文↓↓

http://www.biomedcentral.com/1471-2474/14/71/abstract

医学の進歩のためとは言え、研究者と患者さんのチェレンジ精神に拍手です。

新着の論文を中心に20〜30本の論文や書籍を毎日読んでいます。その中から治療や研究に役立ちそうなものや、個人的に興味のあったものを著作権侵害の無い範囲で紹介できたら良いなと思っています。
…と書いたのは、ブログを始めたときで、今は自分が読んだ論文のメモ帳になっています。

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